インフルエンザワクチン 乳幼児 妊婦 妊娠

 年齢の下限はありませんが、通常生後6カ月未満の乳児にはワクチンを接種しません。これは、ワクチンの効果および、ワクチン接種後の副反応に関しての研究がまだ少なく、十分な知見が得られていないこと、また、この月齢までは母体由来免疫の効果が期待できることなどが主な理由です。このような場合には、同居する家族がワクチンなどでインフルエンザを予防するといった方法が考えられます。

 ワクチンの中でインフルエンザウイルスは生きていません(不活化ワクチン)。そのため、胎児に直接影響を与えることはありません。妊婦がインフルエンザにかかると、重症になる場合が多く、使える薬も限られています。ワクチンによって重症化を予防した方が利益があると考えられた場合には、ワクチンを接種しておかれると良いと思います。ただし、国内では、妊婦または妊娠している可能性の高い女性に対するインフルエンザワクチン接種に関して、調査成績が十分に集積されていないため、米国のように勧奨の対象にはなっていません。
 インフルエンザワクチンの接種とは関係なく、一般的に妊娠初期は自然流産が起こりやすい時期であり、この時期の予防接種は避けた方がよいと考えられます。一方、米国では、「予防接種の実施に関する諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices)」の提言により、妊娠期間がインフルエンザシーズンと重なる女性は、ワクチンを接種するのが望ましいとされています(Prevention and Control of Influenza. MMWR 2008;57(RR-7):1-59参照)。
 これまでのところ、妊婦にワクチンを接種した場合に生ずる特別な副反応の報告は無く、また、妊娠初期にインフルエンザワクチンを接種しても胎児に異常の出る確率が高くなったというデータも無いことから、予防接種直後に妊娠が判明しても、胎児への影響を心配して人工妊娠中絶を考慮する必要はありません。 同様に、ワクチン接種による精子への影響もありませんので、妊娠を希望しているカップルの男性の接種にも問題はありません。
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